ロストワックスの特徴
1.合わせ型ではなく、一体鋳型である
ロストワックス以外の他の鋳造法は、全て合わせ型です。その結果、必ず合わせの誤差が出て、分割面と直角方向の寸法精度を壊すことになります。また、形状が複雑で2つ割りで抜けないときは、中子その他を使用すると、これも精度上の問題を生じます。
しかし、ロストワックス鋳造法はろう型を媒体として溶かし出すことで、完全な一体鋳型となるため、どのような複雑な形状でも高い寸法精度を確保できます。
-
2.どんな材質でも鋳造できます
鋳型形状を保持するためには、耐火物の粒子を結合させるバインダー(結合材)が必要です。他の鋳造法は、耐火度の低いバインダーを使います。ロストワックス鋳型のバインダーは、それ自体が耐火物になっています。そのために炭素鋼、ステンレス鋼のような高融点の金属を流し込めます。そして、鋳肌がきれいで巣のない健全な製品ができるわけです。
-
3.複数部品の一体化
複数のパーツを組立てることによって確保できる寸法精度と、一体化し必要箇所だけを2次加工して確保できる寸法精度では、かかるコストと確保できる精度に大きな違いが生じます。